ぎっくり腰は正式な名称を「急性腰痛症」といい、ドイツでは「魔女の一撃」と呼ばれ、腰の突然の激痛のことをいいます。急性腰痛症には以下の特徴があります。
・突然腰に痛みが走る
・動くと痛みが悪化する
・レントゲンやCT、MRIでは異常が見つからない
・神経痛やしびれ、麻痺などはない
何か物を持ち上げようとしたときや腰をねじるなどをしたときに起こることが多いですが、立ち上がる動作や日常の動きでも発症するこることがあります。症状が重い場合はズキズキした鋭い痛みにより、立つことはおろか寝返りを打つこともできなくなります。
「レントゲンなどで異常が見つからない」とあるように、急性腰痛症は負傷部位が不明になることが少なくありません。
腰回り対して、日常的または瞬間的に負荷がかかり、筋肉がキャパオーバーとなり筋肉、関節、靭帯などの腰の組織に損傷が起こります。
現在、ぎっくり腰の原因は以下が考えられています。
①腰への過度な負荷
重いものを不用意に持ち上げたり、運動で腰に過度な負担をかけた
②筋肉疲労や筋力低下
同じ部分の筋肉を使いすぎて疲労したり、加齢や運動不足によって筋力が低下している
③姿勢の悪さ
崩れた姿勢のまま生活することによって、全身のバランスがくずれ腰に負担がかかる
ぎっくり腰になった場合は、腰回りの組織が炎症を起こしている状態なので、すぐに保冷剤などで冷やすことが大切です。
その後、整骨院などで治療を受けることで、ほとんどの場合は短期間でよくなります。しかし一度発症すると再発をくり返しやすくなります。日常的に腰へ負担がかかり、自然に回復するスピードが追いつかなくなると再発するため、腰への負担を軽くすることや、定期的に整骨院などで施術をうける事で予防することができます。
ぎっくり腰は早期に治療することが大切です。
当院では超音波治療やハイボールテージ治療、アイシングでまずは炎症を抑えていきます。
同時にお身体のバランスを整え、日常生活では気づきにくい「クセ」など、腰にかかる負荷を探し出し、アドバイスさせて頂きます。
ぎっくり腰は再発しやすい傾向がありますが、その理由の多くは間違った治療にあると当院では考えています。湿布やマッサージ、鎮痛薬やブロック注射では一時的に痛みをなくす、あるいは感じさせなくするだけで、本質的な問題はそのままだからです。
当院は、ぎっくり腰は腰そのものに問題があると考えていません。
患者様一人一人の体質や生活習慣に根源が潜んでいると考え、まずは丁寧に問診し、その後触診で身体の特徴や歪みを確認します。そうすることでトラブルの根源が筋肉か、骨格か、自律神経かといったことを判断し、それに合わせた治療が行えます。
さらに、ご自宅でもケアできるように、日頃の姿勢の整え方やストレッチなど簡単にできる方法もお伝えします。これらを毎日行なっていただくと不自然な歪みの矯正が早くなり、正しい姿勢を取り戻しやすくなり、結果としてぎっくり腰などの腰痛の予防につながります。
・発症~治療初期(発症から3、4日程度)
ぎっくり腰の治療初期は痛みを取ることに集中します。超音波治療やハイボールテージ治療、アイシングで患部の炎症を抑える治療が効果的です。
また、腰回りの筋肉の柔軟性がなくなり、患部に負担がかかりやすくなっていますので、体幹や骨盤、足まわりを調整し患部にかかる負担を減らしていきます。当院の患者さまでも反応が早い方は、一回の施術で痛みをほぼ感じなくなったり、腰をかばいながらなんとか来たのに、普通に歩いて帰られる方も多くいらっしゃいます。ここで治療をやめてしまう方もいらっしゃいますが、この後の治療過程が再発防止に重要となります。
・組織の回復期(発症から10日間程度)
炎症が収まってくると組織が回復してきます。この期間は患部の筋肉を調整し、回復スピードを高める治療を行います。また、体幹、骨盤、足の調整を継続し、患部の負担を減らすことで症状のぶり返しを防ぎます。
・最終調整(発症~2、3週間程度)
患部が回復してくると、つっぱり感、ハリ・コリ感になってきます。再発を防ぐために、患部の筋肉や関連する筋肉の最終調整を行っていきます。同時に、患者さまの姿勢や癖を調整していくことで、再発しにくい身体づくりを目指します。
ぎっくり腰の治療は姿勢や癖の矯正まで行うと、トータル2、3週間で終了するのが一般的です。
当院ではぎっくり腰の治療に健康保険が使えます。
ぎっくり腰は癖になることもありますのでお早めにご相談ください。